「選択本願念仏集」を読もう
「選択本願念仏集」(せんちゃくほんがんねんぶつしゅう/せんじゃくほんがんねんぶつしゅう)は、
建久9年(1198年)、関白九条兼実の要請によって、法然が撰述した2巻16章の論文です。
略称は「選択集」(せんちゃくしゅう/せんじゃくしゅう)です。
浄土宗は「選択」を「せんちゃく」と、浄土真宗では「せんじゃく」と呼ぶそうです。
それまでの観想念仏を排して阿弥陀仏の本願を称名念仏に集約することで、仏教を民衆に開放することとなり、日本の浄土教において重要な意義を持つ文献の1つです。
現代語訳はAmazonなどでも購入することができます。
特に角川ソフィア文庫版はKindleでも読むことができるのでオススメです。
念仏だけが必須!
それ以外の修行は一切不要!
南無阿弥陀仏。念仏は誰もが実践することができる。そしてそれで救われる。
何よりそれがすべてといっても過言ではない。念仏こそすべて。
仏教は衆生(人々)にとって身近なものである、と説いています。
本書は、初めはなんだか難しいことを述べているなあ、と思うのですが、読み進めていくと、仏教を男女貴賎関係なく衆生のためのものとしようとする法然の意思が伝わってきます。
まさに万人に開かれた救済思想です。革命の書とも思えます。
結果として国家権力と一体であった既成仏教へ喧嘩を売っていることになります。
念仏が衆生に広まり、法然・親鸞たちへの弾圧となったまさに原因。
法然滅後、「選択本願念仏集」の焚書が実行され、開版された版木までも焼かれてしまったと言います。
それほど強烈な書であったのでしょう。
とはいえ、恥ずかしながらまだ語れるほど読み込んでおりません。
「親鸞ノォト」で、色々と書いていけたらいいなあ、なんて思っています。
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